【レザー講座】 STEP >> 05

なめし、その加工と製法

革の加工・製法について

レザーブルゾンに使用される「革」。この革の元は「皮」です。 皮から革になるためにはなめしという化学的な加工が必要になってきます。

なめしとは生皮に含まれる脂分などの有機物や汚れを取り除き、 皮の主成分である動物性タンパク質のコラーゲン繊維を固定、 安定化させるための加工法のことです。 なめしはタンニンなめしとクロムなめしに分けることができます。

タンニンなめしはタンパク質などを収れんさせる性質を持ち、 植物に含まれるタンニンという物質による加工法です。 タンニンなめしによりできた革は摩耗に強く、堅ろうで伸びが小さいため、 型くずれなども起こしにくいという特徴を持っています。 製造工程に手間と時間がかかってしまいますが、革の豊かな表情が出やすくなります。 着色を施さないタンニンなめしの革をヌメ革といい、よりナチュラルな特性があります。

クロムなめしでできた革は柔軟性、弾力性、耐熱性、染色性に優れます。 一般的にはもとの形に戻ろうとする性質がタンニンなめしに劣り、 いわゆる型くずれを起こしやすいとされています。 しかし、型くずれは革の厚みやその後の加工に影響される場合もあるので、 クロムなめし革を使用して製品化した場合の特性とは一概に言えないでしょう。 また、製造工程に費やす時間はタンニンなめしよりも短く、拡張性にも富んでいるため、 クロムなめしは多くの皮革製品で使用されています。

なめし加工で皮から革になったからといってそのままレザーブルゾンに使用される訳ではありません。 ここからさらに加工が施されます。 加工法にもいろいろあり、用途、特性、視覚的効果などを考慮して加工法が決められます。 夏に活躍を見せるパンチングレザーもその加工の一例です。 パンチングレザーはなめしをした後、革に均等な穴を開けてより高い通気性を確保します。 表面に型押し加工を施して編み目などの縫い込み風に仕上げてパンチングするといった用途もあります。

レザーブルゾンを選ぶ際は、デザインだけで選ぶのではなく、 施されている加工にもこだわってみてはいかがですか?